本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

マルサス「人口論」第7章

飢饉は、どうやら自然が用いるもっとも恐ろしい最後の手段である。人口が増加する力は、土地が人間のために食糧を産み出す力よりも、はるかに大きい。したがって、人類は何らかの形で早死にすることになっている。まず、人間の悪徳が、人口減少に挑む有能な…

マルサス「人口論」第7章

人口を増やすべしという声は、そこらじゅうでよく聞かれる。一方、私は人類の増加傾向はきわめて大きいと述べてきた。もし、それが正しいとしたら、人口増加がしきりに求められているときに人口増加が起きないのは、不思議に見えるかもしれない。この現実の…

マルサス「人口論」第5章

人口の増加がそれに見合う食糧の増加を伴わずに進めば、各人の特許証の価値を減少させるのと、明らかに同じことになる。分配される食糧は必然的に量が少なくならざるをえず、したがって、一日の労働で買える食品の量も少なくなる。食品価格の高騰が起きる。…

マルサス「人口論」第1章

・・・人口が増える力は、土地が人間の食糧を生産する力よりもはるかに大きい。 人口は、何の抑制もなければ、等比級数的に増加する。生活物資は等差級数的にしか増加しない。いささかでも数学の素養があればわかるはずだが、前者の増え方は後者に比べると相…