2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧
ぼくらは雨の中に立ちつづけ、一人ずつ引き出されては尋問され、銃殺された。これまでのところ、尋問された者は残らず銃殺された。尋問者たちはいずれも、自らは死の危険に瀕することなく、死を宣告する者に特有の、あの見事なまでの冷厳さと、峻厳な裁きに…
人間とはそういうものなのだ。人間は死ぬ。死ぬとはどういうことかも、わからないうちに。知る時間も与えられないうちに。人間は偶然この世に放り出され、ルールを告げられ、最初にベースを踏み外したところを見つかったとたんに、殺されてしまう。もしくは…
「罪?どんな罪だ?」と彼は不意に、発作的な狂憤にかられて叫んだ。「ぼくがあのけがらわしい、害毒を流すしらみを殺したことか。殺したら四十の罪を赦されるような、貧乏人の生血を吸っていた、誰の役にも立たぬあの金貸しの婆ぁを殺したことか。これを罪と…
I have since thought of ... my close embrace of the earth as a seeking after identity with some primal matter beyond personalities and possessions ... I wanted something irreducible, an absence of the gimmicky and clever. それ以来私は(孤独…
芸術を成り立たせるもののひとつが、芸術の持つ意味であるとするならば、その秩序もまたしかりである。芸術の実践によって秩序が調和へと導いてくれることがどれほど必要なことか。それがないとただの野蛮になってしまう。私は彫刻はとりわけ秩序の芸術であ…
あまねく人びとのことを思いやるすぐれた人格者の精神は、長い年月をかけてその行いを見さだめてはじめて、偉大さのほどが明かされるもの。名誉も報酬ももとめない広く大きな心に支えられたその行いは、見るもたしかなしるしを地上に刻んではじめて、けだか…
どんな成功のかげにも、逆境にうちかつ苦労があり、どんな激しい情熱を傾けようと、勝利が確実になるまでには、ときに絶望とたたかわなくてはならぬことを知るべきだった。 ある年、ブフィエは一万本ものカエデを植えた。ところが苗は全滅し、かれは絶望のふ…
今日、小学校に通っている農民の子どもは、ピュタゴラス以上にそれについて知っていると一般には信じられている。子どもが従順に、地球は太陽のまわりを廻っていると受け売りするからである。ところが実際には、子どもはもはや星を見てはいないのである。教…
義務の観念は権利の観念に優先する。権利の観念は義務の観念に従属し、それに依存する。一つの権利はそれ自体として有効なのではなく、その権利と対応する義務によってのみ有効となる。一つの権利が現実に行使されるにいたるのは、その権利を所有する人間に…
高い感覚の強さではなくて、持続が、高い人間を作る。 よい評判をうるためにすでに一度、自分自身を犠牲にしなかった者があるだろうか。 狂気は個人の場合には滅多にないことである、しかし集団、党派、民族、時代の場合には定例である。 人は結局自らの欲求…
何事にも時があり 天の下の出来事にはすべて定められた時がある。 生まれる時、死ぬ時 植える時、植えたものを抜く時 殺す時、癒す時 破壊する時、建てる時 泣く時、笑う時 嘆く時、踊る時 石を放つ時、石を集める時 抱擁の時、抱擁を遠ざける時 求める時、…
読んだ本から、一節を抜き書きしていきます。 著者の思想が結晶化している言葉を掘り当てたいなあと思いながら、日々本を読み続けます。化石を掘り出すみたいに。