本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

ダニエル・コーエン「経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える」おわりに

人類は、ヨーロッパが18世紀以降たどってきた道筋を、精神的には逆方向に走破しなければならない。つまり、世界は無限であるという考え方から、世界は閉じているという考え方への移行だ。こうした努力は、不可能でもないし、ありえないことでもないが、ただ単に確実性に乏しい。この不確実性こそが、人類史の重苦しい要因なのだが、現代は、この不確実性によって、たった一つの文明の将来が危機にさらされるという、人類史上初の時代なのである。

林昌宏 訳


*経済成長の必然性を見直し、消費基準を変えない限り、やがて人類を養う地球の限界がやって来ると指摘している。有限の世界である限り、経済成長も有限であろう、ということだろう。