本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

タゴール「ギタンジャリ」

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離れている 孤独のかなしみが 世界中に拡がり

無限の空に 数かぎりない形を 生れさせている。

離れている 孤独の悲しみが 終夜黙って 星から星をみつめ

七月の雨の闇に 音立てて鳴る 木の葉の詩(うた)となる。

どこまでも拡がるこの痛みこそ 深まって愛となり 願いとなり

人々の家庭の 苦しみとなり 喜びとなる。

そしてこれこそ 私の 詩人の魂をとおして

つねに歌となり 溶けて流れる。

 

高良とみ 訳