本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

2018-11-26から1日間の記事一覧

フェルナンド・ペソア「不安の書」

考えるということの不都合のひとつは、考えているときに見てしまうことだ。理性的に考える者はぼんやりする。情緒的に考える者は眠っている。意図的に考える者は死んでいる。しかしながら、わたしは想像力を働かせて考え、わたしにあっては理性か苦悩か衝動…

フェルナンド・ペソア「不安の書書」

何もかもがばかげている。命を賭けて金を稼ぎ、貯え、それを遺してやる子供もいず、天国がその金の超越性を守ってくれるという期待もしていない人がいる。死後の名声を得ようと努力し、その名声に恵まれたことを知る死後を信じない人もいる。実際には好きで…

フェルナンド・ペソア「不安の書」

世界は感じない人間のものだ。実用的な人間になるための本質的な条件は感性に欠けていることだ。生活を実践する上で大切な資質は行動に導く資質、つまり意志だ。ところが、行動を妨げるものがふたつある。感性と、結局は感性をともなった思考に過ぎない分析…