本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

2018-11-18から1日間の記事一覧

フェルナンド・ペソア「不安の書」

言葉は見られ聞かれて完全になる。 高橋都彦 訳

フェルナンド・ペソア「不安の書」

われわれは本来の自分ではなく、人生は素早く悲しい。夜の波音は夜そのものの音だ。そして何と多くの人が、深みで泡だちくぐもった音をたてて闇に消えていく永遠の希望のように、その音を自分の心のなかで聞いたことか! 達成した者たちの流した多くの涙、成…

フェルナンド・ペソア「不安の書」

夢を鮮明にするために、わたしは、いかに現実の風景や実生活の人物が鮮明に見えるかを知らなければならない。というのは、夢想家の視覚は物を見る人の視覚とはちがうからだ。夢のなかでは、現実におけるように対象物の重要な面と重要でない面の両方に一様に…