2018-12-07 フェルナンド・ペソア「不安の書」 普通、知らないものを考えるとき、われわれは知っているものの概念で色をつける。もしも死を眠りのひとつと呼べば、外観が眠りに似ているからだ。死をひとつの新しい生と呼べば、生とは異なるもののように見えるからだ。現実をいささか誤解して、われわれは信仰や希望をつくり、幸せごっこをして遊ぶ貧しい子供のように、ケーキと呼んでいるパンの皮を食べて生きている。 高橋都彦 訳