フェルナンドフェルナンド・ペソア「不安の書」
感性が鋭ければ鋭いほど、感じる能力が繊細であればあるほど、それだけいっそうばかばかしいほど些細なことに動揺し、おののく。暗く垂れこめた朝を目にして苦悩するには、驚くほどの知性が必要だ。あまり感性のない人間は天気で苦悩しない。いつだって天気は天気だからだ。自分の上に落ちてこないかぎり、雨は感じないのだ。
高橋都彦 訳
感性が鋭ければ鋭いほど、感じる能力が繊細であればあるほど、それだけいっそうばかばかしいほど些細なことに動揺し、おののく。暗く垂れこめた朝を目にして苦悩するには、驚くほどの知性が必要だ。あまり感性のない人間は天気で苦悩しない。いつだって天気は天気だからだ。自分の上に落ちてこないかぎり、雨は感じないのだ。
高橋都彦 訳