フェルナンド・ペソア「不安の書」
考えるということの不都合のひとつは、考えているときに見てしまうことだ。理性的に考える者はぼんやりする。情緒的に考える者は眠っている。意図的に考える者は死んでいる。しかしながら、わたしは想像力を働かせて考え、わたしにあっては理性か苦悩か衝動かのいずれかにちがいないものすべては、太陽が最後にしばし漂う岩に囲まれたこの死んだ湖のように、何か無関心で遠いものになる。
高橋都彦 訳
考えるということの不都合のひとつは、考えているときに見てしまうことだ。理性的に考える者はぼんやりする。情緒的に考える者は眠っている。意図的に考える者は死んでいる。しかしながら、わたしは想像力を働かせて考え、わたしにあっては理性か苦悩か衝動かのいずれかにちがいないものすべては、太陽が最後にしばし漂う岩に囲まれたこの死んだ湖のように、何か無関心で遠いものになる。
高橋都彦 訳