本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

フェルナンド・ペソア「不安の書」

  自分は他人と調和できずに暮らしていると深く感じさせるものは、思うに、大部分の人は感性で考え、わたしは思考で感じるということだ。

  月並な人間にとっては、感じるのが生きることであり、考えるのは生き方を知ることだ。わたしにとっては、考えるのが生きることであり、感じるのは考える糧以上のものではない。

 

高橋都彦 訳