ダニエル・コーエン「経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える」第5章
近代社会の労働者は、自分の運命にのしかかる新たな不確実性の奴隷になったのだ。技術進歩は創造的であると同時に破壊的であり、その境界はめまぐるしく変化する。したがって、経済成長が力強い状態にあるかぎりは、社会集団が負う傷口を手当てすることは可能であり、すべてが順調に推移する。ところが、経済成長が減速、さらには大型不況の影響でマイナスになった時には、社会の均衡は、粉々に砕け散ってしまうのである。
林昌宏 訳
近代社会の労働者は、自分の運命にのしかかる新たな不確実性の奴隷になったのだ。技術進歩は創造的であると同時に破壊的であり、その境界はめまぐるしく変化する。したがって、経済成長が力強い状態にあるかぎりは、社会集団が負う傷口を手当てすることは可能であり、すべてが順調に推移する。ところが、経済成長が減速、さらには大型不況の影響でマイナスになった時には、社会の均衡は、粉々に砕け散ってしまうのである。
林昌宏 訳