本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

レイ・カーツワイル「ポスト・ヒューマン誕生」第3章

  ここまでの分析に基づけば、人間の脳の機能を模倣できるハードウェアが、2020年あたりにはおよそ1000ドルで手に入ると予測するのが妥当だ。人間の脳の機能性を模写するソフトウェアはその10年後には出てくるだろう。それでも、ハードウェア・テクノロジーのコストパフォーマンスと容量、速度の指数関数的な成長は、その間も続き、2030年には、ひとつの村に住む人間の脳(約1000人分)が、1000ドル分のコンピューティングに相当するようになる。2050年には、1000ドル分のコンピューティングが、地球上の全ての人間の脳の処理能力を超える。

 

小野木明恵 訳  


*カーツワイルは人間の脳全体の機能を人工的に実現するためには10¹⁵cps程度が必要であり、人間の機能的な記憶の容量全体は10¹³ビット(10兆)と見積もる。