J.デューイ「人類共通の信仰」
人間が、個人として、あるいは集団として、最善の努力をつくしたとしよう。しかしそうした場合でも、いろいろな時と所で、悲運と幸運、偶然と天命などといった運・不運を思いしらされる状況にでくわす。そうしたとき、男らしい人間は、何が何でも、自然の力や社会の力を人間らしい目的にむけようと努力しなければならない、それが人類の使命である、と強く主張する。だが、こうした努力の万能さを、無制限かつ絶対的に主張することは、知的な勇気というよりは、むしろエゴイズムである。
栗田修 訳