本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

星野道夫 「長い旅の途上」

  私たちは、二つの時間を持って生きている。カレンダーや時計の針に刻まれる慌ただしい日常と、もう一つは漠然とした生命の時間である。すべてのものに、平等に同じ時間が流れていること……その不思議さが、私たちにもう一つの時間を気付かせ、日々の暮らしにはるかな視点を与えてくれるような気がする。