本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

フランコ・カッサーノ「南の思想」カッサーノへのインタビュー

何かを知るためには、専門的なボキャブラリーの限界・境界、科学的言語そのものの境界を乗り越えなければなりません。場合によっては、文学が人文科学よりも強力なかたちで現実について語ることもあります。しかし、かと言って、文学が、何人かが考えているように、知の特権的な手段だということでもありません。わたしは真の知を保証するスーパー言語の存在を信じません。なぜなら、知を生み出す、また知を倍加させるのは、言語と言語の交換、言語から言語への移動だからです。これは、漁師が多くの網を使えばより多くの魚の種類がとれるようなことです。協調組合主義的な自分の専門性への自閉は、知の可能性の深刻な制限だと思います。専門性は必要ですが、専門性の境界を乗り越えることも重要です。

 

ファビオ・ランベッリ 訳