フアン・ラモン・ヒメネス 「現代詩集Ⅳ」 新潮社より
郷愁
心の海はのどかに脈打つ
果しのない凪の中で
星の背がきらめいている
忘却と慰籍の空の下で
大きな魔法の洞穴に
こもっているようだ
世間の人のために着飾った
春がいま出ていった洞穴に
その春が残した非在の中の
何という静けさ 孤独な悦び
外で笑いさざめく緑の祭りが
こころよいこの深い穴の中の
鼓直 訳
郷愁
心の海はのどかに脈打つ
果しのない凪の中で
星の背がきらめいている
忘却と慰籍の空の下で
大きな魔法の洞穴に
こもっているようだ
世間の人のために着飾った
春がいま出ていった洞穴に
その春が残した非在の中の
何という静けさ 孤独な悦び
外で笑いさざめく緑の祭りが
こころよいこの深い穴の中の
鼓直 訳