本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

トルストイ 「戦争と平和」第1部

・・・ナポレオンの顔をまともに見つめながら、アンドレイは偉大さというものの小ささについて、だれも意義のわからない生というものの小ささについて、そしてまた、生きているものはだれひとりその意味がわからず、説明もできない死というものの、生以上の小ささについて、考えていた。

 

藤沼貴 訳