本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

ビクター・マイヤー=ショーンベルガー ケネス・クキエ 「ビッグデータの正体」第2章

  あるコミュニティ内で多くの接点を持つ人がいなくなると、残った人々の交流は低下するものの、交流自体が止まることはない。一方、あるコミュニティの外部に接点を持つ人がいなくなると、残った人々はまるでコミュニティが崩壊してしまったかのように、突如として求心力を失う。
  注目に値する話で、まったく予期していなかった結果だ。ある集団内の交友関係を盛り上げているのは、その集団内に親友の多い人だろうと思われがちだが、実は、集団外部の人々とつながりを持つ人間のほうが盛り上げ役になっていたのだ。つまり、集団や社会の中では、多様性がいかに大切であるかを物語っている。
アルバート=ラズロ・バラバシによる分析結果

 

斎藤栄一郎 訳