本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

ビクター・マイヤー=ショーンベルガー ケネス・クキエ 「ビッグデータの正体」第4章

  ビッグデータの時代が成熟すれば、相関分析による新たな洞察力が生まれ、予測の効果が高まる。過去には見えなかったつながりが見えはじめ、どれほど努力しても把握しきれなかった技術や社会の複雑な力学が把握できるようになる。何より重要なのは、相関を使って「理由」よりも「答え」を問うようになれば、世の中を理解する一助となる点だ。

 

「因果関係」がお払い箱になるわけではないが、知の源泉としての主役の座は追われることになる。かたやビッグデータは、非因果性の分析の追い風となっており、因果分析に取って代わる場面も増えている。

 

斎藤栄一郎 訳