シモーヌ・ヴェイユ 「根を持つこと」
今日、小学校に通っている農民の子どもは、ピュタゴラス以上にそれについて知っていると一般には信じられている。子どもが従順に、地球は太陽のまわりを廻っていると受け売りするからである。ところが実際には、子どもはもはや星を見てはいないのである。教室で教えられる太陽は、子どもにとって、彼が見る太陽となんらの関係も有しない。ひとは子どもを、彼を取り囲んでいる世界から引き離してしまう。
山崎庸一郎 訳
今日、小学校に通っている農民の子どもは、ピュタゴラス以上にそれについて知っていると一般には信じられている。子どもが従順に、地球は太陽のまわりを廻っていると受け売りするからである。ところが実際には、子どもはもはや星を見てはいないのである。教室で教えられる太陽は、子どもにとって、彼が見る太陽となんらの関係も有しない。ひとは子どもを、彼を取り囲んでいる世界から引き離してしまう。
山崎庸一郎 訳