本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

2019-04-06から1日間の記事一覧

トルストイ「トルストイの言葉」

ふくろうは闇の中では目が見えるが、太陽の光のみなぎっている場所では盲目にひとしい。学者にもこれと同じような現象が見られる。彼らは不必要な学術上の些事なら知っているが、人生にとって最も必要なこと——つまり、われわれはこの世をいかに生きなければ…

トルストイ「トルストイの言葉」

科学者と芸術家は、民衆に奉仕することを自分の目的としたときにはじめて、自分の活動は民衆にとって有益だ、と言いきることができる。しかし彼らはいま、ひたすら政府と資本家に奉仕することを自分の目的としている。 (われらはなにをすべきか) 小沼文彦 訳…

トルストイ「トルストイの言葉」

芸術は快楽でもなければ慰みごとでもなく、また遊びごとでもない。芸術は偉大な事業である。芸術は、人間の理性的意識を感情へ移す働きをする、人類の生活の機関なのだ。 (芸術とはなにか) 小沼文彦 訳編

トルストイ「トルストイの言葉」

最悪の泥棒は、自分にとって必要な金品を盗む者ではなく、自分にはそれほど必要でないが、他人にはなくてかなわぬ品物を、他人に与えず握ってはなさない男である。 (人生の道) 小沼文彦 訳編

トルストイ「トルストイの言葉」

金銭——それは他人の労働を利用する可能性、あるいは権利である。金銭は、奴隷制度の新しい形式である。それと奴隷制度の古い形式との相違点は、特定の人間をその対象としていない点、奴隷に対するあらゆる人間関係が、すべて省略されている点だけである。 金…

トルストイ「トルストイの言葉」

自分の手を使って働かない限り、健康な肉体に恵まれることはない。また健全な思想も頭にわくものではない。 自分では働くことをせず、他人の労働によって生活している金持どもはすべて、たとえ彼らがどのように自称していても、彼らが自分で働かないで他人の…