本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

2018-12-07から1日間の記事一覧

フェルナンド・ペソア「不安の書」

今日の生活では、世界は愚か者、愚鈍な者、興奮した者だけのものだ。生きて勝利する権利は今日、精神病院へ収容されるのとほぼ同じ経過によって獲得される。思考能力の欠如、道徳観念の欠如、過度の興奮だ。 高橋都彦 訳

フェルナンド・ペソア「不安の書」

「すべてを延期せよ。明日もしなくてすむことは今日けっしてすべきではない。実際、明日でも今日でも何もする必要はまったくないのだ」 高橋都彦 訳

フェルナンド・ペソア「不安の書」

普通、知らないものを考えるとき、われわれは知っているものの概念で色をつける。もしも死を眠りのひとつと呼べば、外観が眠りに似ているからだ。死をひとつの新しい生と呼べば、生とは異なるもののように見えるからだ。現実をいささか誤解して、われわれは…

フェルナンド・ペソア「不安の書」

日々わたしは〈物質界〉に虐待されている。わたしの感性は風に吹かれる炎だ。 高橋都彦 訳

フェルナンド・ペソア「不安の書」

あらゆる思考は、言葉で表現されたとたん、他人のものになり、それを理解する者には理解できるものになり、堕落したように思われる。 高橋都彦 訳