本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

2018-12-03から1日間の記事一覧

フェルナンド・ペソア「不安の書」

われわれは内面を見るとき以外は、誰もが近視だ。ただ夢だけが見るとき見えるのだ。 高橋都彦 訳

フェルナンド・ペソア「不安の書」

人生は無意識に行なわれる実験的な旅だ。心が物質を通りぬける旅であり、心が旅をするので、心のなかで生きられる。したがって、外面的に生きた人よりもいっそう激しく、いっそう広く、いっそう騒がしく生きた黙想的な人がいる。結果がすべてだ。感じられた…

フェルナンド・ペソア「不安の書」

わたしは憤慨しない、憤慨は強い者にふさわしいからだ。わたしは諦めない、諦めは気高い者にふさわしいからだ。わたしは沈黙しない、沈黙は偉大な者にふさわしいからだ。そしてわたしは強くも気高くも偉大でもない。苦しみ、夢見る。弱いので不満を漏らし、…

フェルナンド・ペソア「不安の書」

……悦びのときでさえ、わたしの感覚の痛いほどの鋭敏さ、悲しみのときでさえ、わたしの感覚の鋭敏さから生まれる悦び。 高橋都彦 訳