本を掘る

これまで読んだ本から一節を採掘していきます。化石を掘り出すみたいに。

2018-11-29から1日間の記事一覧

フェルナンドフェルナンド・ペソア「不安の書」

感性が鋭ければ鋭いほど、感じる能力が繊細であればあるほど、それだけいっそうばかばかしいほど些細なことに動揺し、おののく。暗く垂れこめた朝を目にして苦悩するには、驚くほどの知性が必要だ。あまり感性のない人間は天気で苦悩しない。いつだって天気…

フェルナンド・ペソア「不安の書」

無益さだけしか残らない、心の闇に満ちた砂漠の真ん中の勝利よりも、花の美しさを知っている敗北のほうをわたしは好む。 高橋都彦 訳

フェルナンド・ペソア「不安の書」

地球全体を歩きまわった旅行者は五千マイル先にゆこうとも目新しさを感じない。なぜなら、ただ新しいものを見つけるだけだからだ。毎度、目新しさ、つまり永遠に新しいことの古さを見つけるのだが、目新しさという抽象的な概念は二度目の具体的な経験ととも…